2016年12月13日にも紅葉についての豆知識を書きましたが、もう少し詳しく。
葉緑体がもつ「クロロフィル」という光合成色素が含まれており光を吸収して光合成を行っています。クロロフィルは550ナノメートルあたりの可視光線を吸収せず反射してしまうのですが、それが緑色で、それが葉を緑に見せています。
光合成の効率は十分な光と温度(25度程度)が最も活発ですが、温度が低くなると十分な光があっても光合成効率は悪くなります。寒暖差(昼夜が8度差以上)が大きくなり光合成効率が悪くなると、養分を使う葉を落とす準備にかかります。
通常ならクロロフィルは常に分解・再生産されていますが、再生産が抑制されて分解だけが行われるようになると緑色は薄くなって、葉に含まれる他の色素が見えてくるようになります。
黄色の色素は「カロテノイド」といいます。クロロフィルと一緒に葉の中にもともと含まれていた色素です。
さて、赤くなるのは何故なのでしょうか。実はこれ、アントシアンという色素です。
植物は紅葉が始まると歯の根元と枝の間に「離層」と呼ばれるコルク状の物質を形成しやがて葉を落とすのですが、その離層ができ始めると葉で作られたブドウ糖が枝に流れず葉に蓄積されるようになり、それが紫外線が当たってブドウ糖に分解された時に赤色の色素「アントシアン」が作られます。
赤く紅葉していく葉を見ると、緑の葉から徐々に緑色が抜けて赤色に色づいていくのがよく分かりますよ。