西日本の山々(高山は除く)は概ね常緑のカシやシイなどの照葉樹林で構成されています。
東日本では常緑樹は多くはなく、落葉する落葉樹や針葉樹が多いですね。
照葉樹は何故寒い所に少ないかご存知でしょうか。
暖かい所が好きだから?寒いのは苦手?
確かにそれもあると思いますが、正解ではありません。
樹木は根から水分や養分を吸い上げて生きていますが、寒くなると葉の水分が凍ってしまいます。
これは植物にとって大きなダメージ。落葉樹は葉を落とすことによって寒さを凌いでいます。
対して、温暖な西日本では冬も光が多く、光合成がしっかりできるので常緑になりました。
照葉樹は温度が5度~0度くらいまでにしかならない場所に生息し、葉を厚くして5度程度まで耐えられる寒さ対策をしています。
寒さが苦手という言われは、こういうところからきているのですね。
では東北や北海道、またそれ以北の植物である針葉樹はどうなっているのでしょうか。
針葉樹は葉の形がとても細長く、体積に対して表面積を小さくしたことで外気温の影響を最小限にして、葉の中に水分が通っても凍りにくくなりました。
一部が凍ってもその葉を少しだけ落とすだけで生育できるようになったのです。
こうして、温暖な所では照葉樹が光合成を最大限にするために、寒冷地では針葉樹が寒さから耐える姿に進化して、繁栄していきました。
ちなみに、北海道では常緑樹というと針葉樹を指します。
西日本から仕事で行った時に話が食い違わないよう、気をつけたいですね。