森林浴って知っていますか?針葉樹林に入って空気を吸い、また全身に浴びることをいいます。
単に爽やかな気分になるというだけではなく、香りや音、光などの環境が人間の体に良いからと近年の登山ブームもあって広まりつつあります。
森のなかに居ると清々しい気分になり、空気が美味しく感じたりしますね。光合成によって出される新鮮な酸素がいっぱいあり、大気中の汚染物質を樹木が吸着してくれるからではないかという説があります。
また外気温に比べて森の中は夏は涼しく、冬は暖かく感じられ、しっとりとしていて快適なのもあります。
それにとても良い香りがします。この香りの中にはある種の殺菌作用があることが近年明らかになってきており、これも森林浴ブームの大きな要因になっています。
トーキンという学者は、早くからこの殺菌作用に注目をして「フィトンチッド効果」を提唱しました。
樹木から発散される匂いの元となる物質には殺菌作用があり、例えば松や杉にはジフテリア菌を、モミは百日咳ビールス等、カシはコレラ菌、ユーカリは流感ビールスを退治する効果があると言われています。この殺菌効果のある微生物質をフィトンチッドと読んでいます。フィット(phyto)は植物、チッド(cide)は殺すという意味です。
現在、世界各国では循環器系の病気療養に森林を利用しようと森林療養地等が考えられつつあります。日本でも昔から転地療養というのがありますね。きれいな空気と林間での療養が偶然にも長期の森林浴になっていたのかもしれません。
ところで、どの程度の森林にどれくらいのフィトンチッド効果があるのでしょうか?実はまだあまり詳しいことは分かっていません。
ただ世界最大の針葉樹林に入ると、時として嫌悪感を催すことがあるそうですが、これはフィトンチッド効果が過剰なためだろうと考えられています。
最後に、森林浴には針葉樹林がいいと言われているのはどうしてだかご存知でしょうか?
答えは至って簡単、調査が行われたのは針葉樹林についてのみなのです。
広葉樹林はまだ調査が進んでおらず、今はまだなんともいえないそうです。