松枯れと言っても、いくつかの症状・原因があります。
予防や対処方法について、今回はご紹介したいと思います。
まず、葉先から赤く色づき、枯れていく症状がでたら「松葉枯れ病」です。
この病気、最近流行っていて、黒松や赤松で見られます。
ペスタロチア菌という菌体が新葉に侵入して感染することで発生します。
葉から葉へ伝染るだけではなく、風で他の松へ二次感染する場合もあります。
放置すると枝ごと枯れてしまうので、注意が必要です。
もし葉先が赤くなったら、かかってしまった葉を除去して焼却処分にし、全体の消毒もして下さい。
できれば葉をとるときはハサミを使わず、手で行いましょう。
また防衛や蔓延を防ぐために、樹勢回復処置を行うことも有効です。
また、松葉枯れ病と紛らわしい「松葉ふるい病」というものがあります。
こちらは葉っぱに斑点ができ、葉が枯れてしまうのですが、パッと見は赤くなるため松葉枯れ病と紛らわしい症状です。
違いは葉全体が赤くなること。
こちらも松葉枯れ病と同じく、かかった葉を除去して焼却処分、全体の消毒を行って下さい。
どちらにしても、赤い葉がでたら、即除去して焼却、全体の消毒は同じですのでただちに行って下さい。
かかってなくても、春~秋に多いので殺菌剤散布は有効です。
また、松枯れの中で一番有名な「松くい」という症状があります。
マツノザイセンチュウという小型の線虫が侵入し、松の中で増殖、水を吸い上げる管を圧迫することで松を弱らせ、松枯れを起こします。
マツノザイセンチュウはマツノマダラカミキリによって媒介されます。
5~7月にマツノマダラカミキリが発生し、松の樹皮を食害するのですが、その際にマツノマダラカミキリに寄生していたマツノザイセンチュウが松へ侵入します。
松くいを防ぐには、マツノマダラカミキリを防除したり、侵入したマツノザイセンチュウを抑える方法、感染した木を素早く処分することが効果的です。
この3つの松枯れですが、一番良い防衛は樹木の健康を保ち、樹勢の良い松を育てることです。
松には外敵から身を護る「松脂」を多く分泌するという、自身に備わった防衛方法があります。
害虫を寄せ付けない、元気な松を育てることが肝心です。