クリスマスケーキやバレンタインなど、冬のイベントごとに欠かせないイチゴ。イチゴの栽培は古く、紀元前3800年頃の遺跡から出土するくらい人間との付き合いは長い果物です。
日本でも初めて登場するのは日本書紀に書かれた「いちびこ」がそうではないかと言われています。「いちびこ」が転じ、現在のイチゴとなりました。その頃のイチゴは、野イチゴを指すようです。
現在のイチゴ(オランダイチゴと呼ばれています)が入ってきたのは江戸時代だと言われており、栽培が始まったのは明治頃だそうです。
イチゴの栽培は難しいものではありませんが、アジアでは高温多湿なので生産量や質を保つにはビニールハウスが必要です。もっぱら、日本のイチゴはビニールハウスでの栽培となっています。
ではイチゴの旬とはいつなのでしょうか?
ビニールハウス栽培が主流となった日本では、出荷は12月~5月となります。
クリスマスケーキにのっているイチゴは1番成りで、糖度は十分になりますが食感がボソボソとしているため単体で食べるとやや風味がおちます。1月~3月の2~3番成りは糖度が高く、食感も良いため、ベストシーズンと言えるでしょう。安定的にとれるので最も値段が安く、手に入りやすい時期となります。3月後半から4月の4番成りはやや水っぽくなってきますが、まだまだ甘いイチゴを楽しむことが出来ます。5月になると水っぽくなり、糖度も落ちてきます。実が柔らかくなり、歯ごたえや風味がなくなります。旬は5月で終わりとなります。5月からは一部の露地栽培の販売がありますが、5月から11月にかけては殆どが輸入品に頼っているとのこと。
なので国内産の多様な品種を楽しむのは1~3月がベストのようです。
肝心の美味しいイチゴの見分け方は、2つのポイントがあります。
1つは糖度(甘さ)の高いものを見分ける方法。ヘタ付近まで赤く色づいている方が熟しているため、糖度は高い傾向にあります。しかし収穫からどんどん糖度は落ちていくため、新鮮でなければなりません。
もう1つのポイントは鮮度を見分ける方法。ヘタがみずみずしく、ピン!と立っているものを選びましょう。
ご家庭でイチゴを栽培する際は、用途によって品種を選んで下さい。収穫を目的とする場合は1季成りのイチゴが良いでしょう。寄せ植えなど、花や実を見て楽しむのは四季成りがオススメです。
味や収穫量は1季成りが断然多く、味も良いでしょう。四季成りは味が大味で甘くなく、実が太りません。
植える時は出来るだけ高植えに、花壇なら畝の上に、ハンギングやプランターも水はけが良いので適しています。土をしっかり肥やし、肥料を欠かさないように育てて下さい。またランナーで株を更新することも大切です。
綺麗な形のイチゴにするのは、ご家庭では出来ません。ミツバチなどによってまんべんなく花粉を受粉する必要があるため、諦めて下さい。
ややコツが要りますが、イチゴの収穫は喜びもひとしお!是非育ててみて下さい。