先日、花壇を植え替えていたら気の早いユリがもう50cmくらいに育っていて驚きました。今年の冬は暖かかったのでもうそんなに大きくなっていました。
今回はユリの話をしたいと思います。
日本には様々な在来のユリがありますね。鑑賞だけではなく、絵図や着物の柄、家紋などにも多く取り入れられています。また百合根として食べたり、むかごを入れたむかごご飯も美味しいですね。
ちなみに食用として食べる百合根はほとんどがコオニユリだそう。
かつてカサブランカというユリが大流行したバブリーな時期は過ぎましたが、今もユリは切り花の中でも大変人気です。
近年、よく目にするのは高速道路の法面に咲いているユリ科もしれません。
8~9月にかけてやたら群生して咲いているユリ。あれはタカサゴユリやシンテッポウユリという品種です。
タカサゴユリは台湾原産の帰化植物。日本に観賞用として持ち込まれました。
このユリの特徴は他のユリと違って種子繁殖を盛んにするということ。
つまりかなり戦略的に陣地を拡大していきます。
またシンテッポウユリはタカサゴユリと沖縄のテッポウユリが交雑した品種で、こちらも種子繁殖します。しかも連作に弱く、一時的にワッと増えても数年経つと枯れて他に移動するタイプです。
今のところ、日本のユリとは花期が違うため交雑等の心配が低く侵略性外来種としては指定されていません。
しかし勢力を広げつつあるため、この先近い内に指定されるかもしれないと見方が強いようです。
在来品種や園芸品種のユリは、球根が乾燥することを嫌うため、放任での栽培はほぼ出来ません。
山で自生している場合は、夜露などの湿気が十分だからです。なので山で見つけても絶対に掘り返さないで下さいね!!!せっかく環境に適しているので…
ユリ栽培が難しいと言われるのは、この水管理が主でしょう。
花壇など、他の花々と一緒に栽培・管理するのであれば、意外と容易に育てることが出来ます。肥料もそれほど要りませんし。
しかしタカサゴユリもシンテッポウユリも他のユリとは違い、乾燥に強いのが特徴です。高速道路沿いの乾燥した荒れ地でも育っているのを見かけるのはそのためでしょう。
道路沿いに咲いているユリを見て、安易にユリは育てやすいと考えるのはよくありませんが、水管理をきちんとできるのであれば、ユリ栽培にチャレンジしてみて下さい。
ユリが咲いた時の喜びは、代えがたい感動がありますから…!