薬草として万能と言われるドクダミ。しかし庭で増えるとかなり厄介な存在です。
今回はドクダミをご紹介します。
ドクダミはドクダミ科の多年草で、毒を抑える「毒矯み」から名称がきました。ドクダミ自体に毒はありません。
調べると中国語で「魚腥草(腥=生臭い)」、ベトナム語「ザウザプカー(魚の野菜の葉)」、英語で「fish mint」と呼ばれるらしく、魚の匂い、しかもあまり良い匂いではないのを連想させる名前がついていました。
万国共通で臭いって思っていて安心!
そう、ドクダミはかなりの臭いがあります。少しでも葉や茎を千切ると強烈な臭いを発します。これがかなり厄介で、ドクダミが繁茂したところを除草する時に苦情を言われるということも(頼まれてやったのに…)。
ドクダミの臭いは独特なので、触ったことがある人は納得ですよね…苦情言うのもとても分かります…
ドクダミは住宅や道端などやや半日陰のジメジメしたところを好んで生えています。
根を千切るとその両方から芽を出すほど、かなり強健な植物。
手で除草するのはほぼ不可能で、それでもやると一面がドクダミになるということも。
ちぎれた地下茎でどんどん繁殖するため、厄介です。
初夏、花をつけている頃にラウンドアップなどの除草剤で枯らすのが良いでしょう。
厄介な存在ですが、初夏の爽やかな色合いの花(厳密では花ではありませんが)が美しく、花だけは好きと言われることもありますね。
花に見えるのは総苞と言われるもので、中心にある棒状の花序に小花が密生しています。総苞は4枚ありますが、珍しいものでは八重のものもあるそうです。
また、その辺で見られるものは葉は緑ですが、品種によっては斑入りのものもあり、ゴシキドクダミと呼ばれます。葉がどれも美しいです。
一時期、ゴシキドクダミが流行ったのですが、あまりの繁殖力のため現在ではガーデンデザインのプランに入れることはほぼ無くなりました。
臭いドクダミですが、加熱したり乾燥させると臭気が和らぐため、天ぷらにしたりどくだみ茶にすることがあります。ただどくだみ茶は身体に良いと知られていますが、高カリウム血症や肝機能検査値の上昇させる場合があるようです。
生薬として、開花期のち上部を乾燥させたものは十薬と呼ばれます。利尿作用、高血圧、動脈硬化の予防に作用するとし、湿疹やかぶれにも使えます。
漢方では解毒剤として用いられるそうです。
また生のドクダミの臭気成分には抗菌作用や抗カビ性があって、白癬菌やブドウ球菌も殺す作用があると言われていますが、乾燥させると効果は無くなるそうなので使用が結構キツそうですね…
厄介なドクダミですが庭にある場合は利用してみても良いかもしれません。