この時期、アブラムシをわんさか見ます。
しかもどこにでもいる。何にでもいる。形も色も大きさも違って、多種類。
アブラムシ自身の被害は意外と多く、そして何より彼らが連れてくる病気に悩まされます。
まずはアブラムシの直接的な被害。
植物の新芽やつぼみから汁を吸うため、新芽やつぼみの成長を阻害します。
葉が萎縮したり、つぼみが咲かなかったり、咲いても汚かったり、実がつかなかったり。
農家では、カメムシと同様に恐れられている虫です。
名前の通り油のような分泌物を出すため、葉がテカテカした部分に汚れなどが付着し黒ずんでくるため、見た目も悪くなります。
大量にアブラムシがついた場合は植物が枯れる場合もあります。
間接的な被害としては、ウイルス病などを媒介することです。
すす病やモザイク病など、様々な病気(しかも致命的なものが多い!)を引き起こします。
ウイルスにかかっている植物の汁を吸うと、植物に突き刺す口にウイルスつき、そのあと他の植物の汁を吸うときにうつしてしまうようです。
アブラムシが春先に多く見られるのは、冬に寄生している樹木に産み付けられた卵が一斉に孵化し草本類に移動して寄生するからと言われています。
花壇などのアブラムシは、街路樹などの周辺の木々からきているわけです。
その後、草本類にいる間に何度も「胎生」、つまり幼虫を直接産むことでどんどん増えると言われています。
世代の短さによって殺虫剤の抵抗性が付きやすいので、薬剤によっては効果が無い場合もあるのが難点です。
アブラムシをできるだけ発生させない、寄生させない方法は、株と株の間を広く、風通しをよくすること。そして窒素分の多い肥料を与えすぎないようにすることです。
窒素分が多いと葉でアミノ酸が多く作られて、それが大好物なアブラムシが寄ってくる、と言われています。
ただ、上記の2つの方法、実感としてはあまり効果があるような気がしません。
一番の効果が有るのを感じるのは、テントウムシの幼虫が来てくれること。
ちょっと見た目はグロテスクな幼虫ですが、テントウムシの幼虫は大食漢で、アブラムシをあっという間に食べてくれます。
しかも成虫になったら可愛い。最高ですね。
テントウムシの幼虫(もしくは成虫)は、アブラムシが多くなるとどこからともなくやってきてくれます。
殺虫剤などを使うと一緒に殺してしまうので、もし薬などを使用する場合は、アブラムシ発生の初期段階に使うと良いと思います。
ちなみにアブラムシの語源は江戸時代にハギに寄生するアブラムシを数匹手ですりつぶし、頭髪に塗ってテカテカに光らせる子供の遊びがあったことに由来すると聞きました。本当でしょうか…驚きます…