カナダのレーモンド・マリー・シェーファーという現代音楽の作曲家が、提起したのが「サウンドスケープ」です。
彼の1969年頃から始まったプロジェクトを通じて、実地調査をもとに音環境が個人や社会に応じて全く異なる形で知覚されていることが分かってきたそう。
研究が進むにつれて、様々な環境下での音の聞こえ方、鳴らし方、気分や感情に訴える方法などがわかってきたと言われています。
また、そのプロジェクトから、風景には音が欠かせないとして、それらに真剣に取り組んでいくこと、大切にしていこうという考えが提唱されています。
造園ではサウンドスケープは関わりがないように思われますがどうでしょうか。
しかし外部空間に遮音性の高い塀などの設置をしたり、喧騒を吸収する樹木の植栽するなどの機会があります。
また、植物の葉のざわめき、水音をつくる流れ、ししおどし、水琴窟、カスケードや噴水など、音を操る手法が意外にも多くあります。
足元の素材によって靴音を響かせるのか抑えるのかなど、建築とランドスケープの設計者の間で意見が交わされることも。
異分野ではありますが、細やかな音へのデザインが進みつつあります。
先日、TVでカラ類の鳥は都会と田舎では鳴く声の高さが違うという話をしていました。
都会は喧騒があって鳥の声が届きにくく、より遠くへ声を届けるためにやや高い声を出しているそう。
まさか鳥までサウンドスケープに対応していたとは。驚きです。
今後、公園などの公共空間ではサウンドスケープを考えたランドスケープもどんどん実現していくかも。
音の風景づくり、楽しんでいきたいですね。