屋上緑化でよく使われるキリンソウ。弊社でも施工する物件の設計に入っていることがあります。よく目にするからこそ、改めてキリンソウについて調べたと若手からの豆知識です。
キリンソウはベンケイソウ科の多年草で、漢字では「黄輪草」と書かれます。
漢字の通り、初夏に黄色い花を沢山咲かせます。
花自体は華やかなものではありませんが、色合いが黄色なので非常に明るく感じられます。
キリンソウはシベリアから中国、朝鮮、日本ほとんどに分布しており、岩場などに生息しています。
品種に寄ってはレッドリストに入っているものも多く、守られていることが多いです。
屋上緑化で使うキリンソウは、タケシマキリンソウと常緑キリンソウです。
タケシマキリンソウは自生種でしたが、1980年代に欧米で園芸種として流通し、日本でも野草店を中心に販売されています。
屋上緑化用に栽培している農場もあります。
また、良く使われる品種として「常緑キリンソウ」があります。
元々落葉性のキリンソウですが、一年中緑を保つように改良された「トットリフジタ1号」と「トットリフジタ2号」があります。
性質は大変強く、もともと持っていた乾燥に強い特徴と、蒸れや暑さに良く、寒さにも強く改良されており、水やりをほとんどしなくても生育するという強健さです。
キリンソウと比べると花の付け方がやや鈍いくらいです。
また、茎が折れて土の上に落ちると、そこからまた生えてくる性質も有り、屋上で放っておいても一面に広がる、ということもしばしば有ります。
上記の2種は育苗法に則って登録された品種です。
植栽する場合は納品時に大変気を使うもので、本当に正式なメーカーのものか必ず確認します。
皆さんも違法に繁殖されたものを使わないように、気をつけて下さいね!
大変育てやすく環境に強い常緑キリンソウですが、突然ぱたっと枯れることも。
環境に強くついつい放任しがちですが、たまには水やりや剪定もしてあげて欲しいなぁと思います。