近年、屋上緑化はますます当たり前のように施工されるようになってきています。工法も様々なものが確立され、工事やメンテナンスも容易になってきました。
今回は屋上緑化のちょっとした豆知識をご紹介します。
●日本一古い屋上緑化はどこ?
屋上庭園はかなり昔から作られていたようですが、屋上に植物を植える「屋上緑化」は1907年(明治40年)の神戸オリエンタルホテルが最初ではないかと言われています。
まさかの地元で驚きです。
残念ながら現存していないので、当時の写真のみです。
神戸オリエンタルホテル
ちなみに現存する最も古い屋上緑化は1935年(昭和10年)竣工の彫刻家、朝倉氏の邸宅だそうです。現在は美術館なので見ることができるのは嬉しいです。
朝倉彫塑館
●日本一広い屋上緑化はどこ?
近年は屋上緑化の面積が広がっていく傾向があり、令和元年では総面積約19.7haが施工されたと聞きます。
これはひとり2m間隔で立っても約57000人分あるという計算だと聞くと、本当に沢山作られているのだなぁと実感しますね。
さて、大型化していく中でも、日本で一番広い屋上緑化はご存知でしょうか。
現在の最大はザ・プリンス パークタワー東京の18000㎡と言われています。
プリンス芝公園として一般に公開されており、東京タワー近くの公園として広く利用されています。
あまりに広くて人工地盤の上にある屋上緑化だと気付かないかも?ザ・プリンス パークタワー東京の2Fにあたります。
首都圏にはその他にも大型の屋上緑化があり、都市の緑を増やそうという強い気概を感じます。
その他にも首都高速道路大橋ジャンクションの屋上に造設された目黒天空庭園は7000㎡の面積があり、多くの施設が併設され、傾斜や高低差があって見処も多いです。
目黒天空庭園・オーパス夢ひろばHP
屋上緑化は一般に公開されているところも多く、コロナ禍が収まれば見に行ってみたいです。
●日本一高いところの屋上緑化はどこ?
では日本で一番高いところにある屋上緑化はどこでしょうか。
調べてみたところ、あべのハルカスの天空庭園だそうで、58~60階にあたります。外側に作られている屋上緑化ではないので、従来とは形が違いますが。
あべのハルカスHP
屋上緑化の高層化は近年どんどん進んでいるため、すぐに追い抜かされてしまうかもしれません。
様々な屋上緑化がありますが、実は利用しているのはそのごく一部。
多くはパレットと呼ばれるセダムや芝生、苔の緑化が大半なのが現状です。
上にご紹介した屋上緑化は公園化されたもので、景観や設計、植物の状態などが大変素晴らしく、利用者の満足度も高いでしょう。
そういった屋上緑化が増えていって欲しいですし、弊社もそういった施工をしていきたいです。