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ヤシオオオサゾウムシ

ヤシオオオサゾウムシという虫を聞いたことがあるでしょうか?
22~35mm程度の甲虫で、頭部が赤褐色、黒い複眼で、長い吻を持ちます。
この虫、ヤシ類に寄生します。

侵入はカナリーヤシなどのヤシ類の運搬で混入したと言われています。
沖縄県での初記録は1975年、本州では1998年に宮崎県日南市で記録されています。
既に大東諸島、沖縄県、九州、広島や岡山、近畿では兵庫県や和歌山県でも見つかっています。

ヤシオオオサゾウムシの生態はメスがヤシの幹の組織に孔をあけて産卵、1~6日で孵化します。
幼虫は周囲のヤシ組織を食べて幹中心部に向かって穿孔。二月程度で蛹化し、11~45日で羽化して成虫となります。
成虫は2~3ヶ月程度の寿命となり、数回繁殖を行います。産卵数は50~600個程度だそう。
食害も酷いですが、フザリウム菌を媒介し、ヤシの立枯病を起こします。

幼虫から蛹化までの間はほとんど手の打ちようが無いのですが、成虫の飛翔ピークに合わせた殺虫剤の散布が効果的です。
それ以外にも、薬剤の樹冠注入や、被害木の破砕や燻蒸も良いでしょう。

今年4月、神戸メリケンパークに大きなフェニックスを植栽しました(写真は植えたばかりの頃)。
しばらく順調に育っていたのですが、葉が数本、根本から枯れはじめ、原因を究明したところヤシオオオサゾウムシだと分かりました。
現在、定期的な薬剤散布をしながら状況を見守っています。

どうか無事でありますように。