造園業界では近年、チェーンソーが主流ですが、手元の枝はノコギリを使うことも多いのではないでしょうか。
今回はノコギリのお話です。
ノコギリは木を切る道具で、主に大工さんを中心に様々に使われています。
もちろん、日本だけではなく海外では様々な形のものがあり、使い勝手もいろいろ。
日本では主に引いて切るノコギリが主流で、海外では押して切るものが主に使われています。
どうして押すものと引くものがあるのか、定かではありませんが色んな説があります。
例えば加工する木材の硬さの違いからというもの。
日本ではヒノキやスギなどを中心とした柔らかい木材が多く使われています。
いっぽう、欧米はオーク材など硬めな木材です。
硬い木材は刃に体重をのせて切る必要があり、押したほうが切りやすく、そうした都合が良い引き方になったという説です。
また海外では身体が大きく筋肉量が多いため、押し切りをした方が時間も手間も少なくて済むという説もあります。確かに引く方が手数が多く、時間がかかりますね。
引き切りの場合は力が少なくてすみますが、往復回数が増えてしまいます。
ただ引くノコギリの方がメリットも。
西洋ノコギリの場合は体重をかけて押し出すため、刃がたわんだりしないようノコギリの強度が求められます。そのため刃が分厚く、大きくなったり、強度を増すために針金などのテンションを加える必要があり、大きく重くなりがちだそう。
扱いも難しく、あまり細かな作業には向きません。
日本の引くノコギリは強度が必要ではなく、薄く、しかも挽き代は小さくて済むのでコンパクトになっていきました。
力の弱い人、たとえば子供や女性でも扱えるようになり、細かな仕事も可能になりました。
ただし引くノコギリには工夫があって、刃の並びや構造に工夫があるようです。
普段何気なく使っている道具たち。
いろんな事情があって面白いですね。