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バラのトゲは何のためにある?

須磨離宮公園花の庭園のバラ
須磨離宮公園花の庭園のバラ

冬季はバラの管理で最も大事な時期です。春から秋にかけて沢山の花をつけてもらうためにも、土壌の充実や枝の整理などは欠かせません。北海道などの寒冷地では雪が降る前に終える必要があり、早々に終わられていることもあるかと思います。
弊社が立地する関西では、最近は暖冬なので落葉性のハズがいつまでも葉が落ちない、花が咲いているということもしばしば。いつ作業をしようか?と迷います。
先日、バラの剪定や誘引、植え替え、土壌改良をしてきました。その間に何度も棘にさされ痛い思いをしました。
中でも棘がささることも痛くてツライのですが、服などに引っかかるのに難儀しました。
そういえばバラの棘ってどうしてカギ状なのだろう?と不思議に思ったので調べました。今回はそのバラのトゲの話です。

一般的に植物のトゲは動物に食べられないように葉や枝が変化したものだと言われています。
ほとんどのトゲはまっすぐの針状になっており、全体的に細く感じます。こうしたトゲは刺すのに特化していて、動物に食べられないよう防御として備えていると考えられています。

しかしバラのトゲを見ると、根本が太く、先端に行くほど細いが、先端はやや下を向いていて、トゲはまるで葛飾北斎が描く波のような形をしています。
触るとかなり痛いことから、防御としての役割もあります。しかし下を向いている理由にはなりません。
トゲが下を向いているのは、引っ掛けることができるようにしているから、つまりバラのトゲは、自分自身を支えるために周囲の植物に引っ掛ける仕様になったと言われています。

木立性のバラを育てている時、びゅーんと伸びたシュートの先に咲いた先端につけた花が重くて倒れそうになったことは無いでしょうか?
管理しているバラ園でそういうことが良く有るのですが、隣に育っているバラや低木に枝を引っ掛けて倒れないよう保っていることがあります。
これまでは剪定してなくてごめんよ~支柱つけるね!と思っていましたが、バラにとってはよくあることなのかも。

周囲を利用して体を支えるのはバラには普通のことなのかもしれないと気付きました。
また、剪定中にたびたび服にトゲを引っ掛けてしまいましたが、引っ掛けるためにあったのだと思うと納得ですね。

なお、バラのトゲは古いものであれば切ってしまっても構いません。よく引っかかったり邪魔だなぁと思った場所はハサミでちょんちょんと切ってしまいましょう。
しかし若い枝の若いトゲは、トゲを取ると枝が折れやすくなることもあります。枝やトゲがしっかりするまで少し待ってあげてくださいね。

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