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イスノキの葉の虫こぶ(虫えい)

イスノキという木をご存知でしょうか。
最近はあまり植えられることが少なくなりましたが、以前は街路樹や公園、庭園でよく植えられていた樹木で、静岡県より以西に自生している木です。
古くから材として利用され、櫛や木刀などの原材料として使われてきました。

このイスノキ、しばしば葉にこぶのようなものが出来ることがあります。そのため「え?この木大丈夫なの?」とか「病気?」と思われることもあると思います。
植物には時々こうしたこぶのようなものを形成する時があり、これを「虫こぶ」もしくは「虫えい(ちゅうえい)」と呼びます。虫が養分を吸ったり、卵を産み付けたりすることによって、植物が傷つけられたところを塞ごうとして大きく膨れ上がることによって出来るようです。
虫だけではなく、線虫やダニ、菌類、細菌などが原因になることもあり、こぶが出来る場所も葉や枝、幹など多様です。「虫こぶ(虫えい)」のことを英語では「ゴール」と呼びます。

イスノキは葉に沢山の虫こぶ(虫えい)ができることが知られています。原因は主にアブラムシが葉の養分を吸うことから生理生態として虫こぶ(虫えい)が形成されると言われています。イスノキの葉に出来る虫こぶ(虫えい)は目立つのですが、悪さをすることはほとんどありません。
葉に虫こぶ(虫えい)がたくさんできていても心配しなくて大丈夫です。

面白いことにイスノキの虫こぶ(虫えい)が出来やすい特徴から、これといった特徴が少ないイスノキを見分ける一つの方法となっています。無害ですが、役立っていたりします。
また大きなものになると、穴を開けて笛にもなるとか!一度吹いてみたいものですね。

その他によく虫こぶ(虫えい)が出来る植物として、ケヤキ、クリ、ヌルデなどがあります。
ヌルデの虫こぶ(虫えい)にはタンニンが含まれるのでお歯黒の材料に用いられたり、マタタビはマタタビ酒の原料になったりするらしく、虫こぶ(虫えい)と人との共存も様々にあり調べてみると面白いです。
ただし、場合によっては虫こぶ(虫えい)の中には、病気を持ち込んでしまうこともあるので、イスノキの場合は「心配ないですよ」と言えますが、他の木の場合は注意が必要です。

(画像はWikipediaから)

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