10月から11月にかけて、各地でソメイヨシノの季節外れの開花が目撃されました。ジュウガツザクラではなく春に咲く桜が咲いたことでニュースになっていたため、ニュースを見られた方もいるかと思います。
こうした季節外れに咲いてしまう植物は他にもあらゆる季節に目撃します。例えばツツジ類。またアジサイ類も多いですね。こうした咲き方を狂い咲きと言います。
季節外れの開花はそれぞれ要因が違うため、これ！ということが出来ないのですが、多くは環境の変化が原因です。
例えば、今年多かったソメイヨシノの季節外れの開花。こちらは9月ごろにあった台風が原因ではないかと言われています。9月に多くの葉を失うことで、花芽が形成されてしまった様子。
どういうことかというと、桜は春に花を咲かせた後、夏の間に翌年の花芽を作り休眠に入ります。花芽を夏に作った後、冬の寒さを乗り越えるために葉では植物ホルモン（アブシシン酸）を分泌させて、これ以上花芽を作るのを抑えるようにします。
今年は葉で植物ホルモンを分泌させる時期、つまり9月初旬に台風の影響で沢山の葉が強風で落ちてしまいました。そのため葉にあった植物ホルモンは落葉とともに失われて、桜は花芽を作るのを抑えることが出来なくなったのでは？ということなのです。
季節外れの開花は植物にとっては栄養をとられてしまうのであまり嬉しくない状態。
来年の桜が綺麗に咲くようにと、願うばかりです。