植物にとって水とはどんな意味を持つのでしょうか。水やりをしながらふと思うことがあります。生命にとっていつでも水は大切な役割を果たすのですが、植物ではどうでしょうか。小学校の理科の授業から習っていても、いざ考えるとすっかり忘れているということは良くあります。なので今回改めて考えてみたいと思います。
植物にとって水は主に4つの働きがあります。
1つめ、養分を吸い上げるために水が必要
土中の栄養はそのままでは植物は受け取ることが出来ません。栄養は水に溶けて初めて根に吸収されるからです。なのでまず水に溶けた栄養素を得るためという役割があります。
2つめ、身体を冷やす
葉から水分が蒸散していることをご存知な方も多いかと思います。蒸散する際に気化熱の放出を行って植物は体温を保とうとしています。私たちの汗のような役割です。暑い夏ほど盛んに蒸散させています。
この蒸散という働きは素晴らしく、樹木は最大20気圧もの圧力で土中から水を吸い上げて、大気中へ拡散させます。そのため土から地上、そして空気へと大きな流れを作るため、雲を作ったり、土中では細菌類や菌糸を育み、また涼しさをもたらしてくれます。
3つめ、光合成をおこなう
植物は太陽から光のエネルギーを受け、二酸化炭素と水から炭素と炭水化物(糖やデンプンなど)を作っています。その炭水化物は栄養となり、葉から根へ下っていきます。栄養を運ぶのも植物体内の水です。
4つめ、体内をめぐる
根から吸い上げられる水は植物を満たし、そしてぐるぐると巡っています。以上の3つの働きを支えているのがこの運ぶという働き・満たしているという水です。道管内の圧力で水を上昇させるなど、巧みに水を操っています。
以上のことから、植物にとって水は生命そのものを支えるものとして重要だということが分かります。植物は大体80~90%が水だと言われており、水分が10%失われても影響があります。水がなければ生きることができないのです。
また植物が作り出す栄養素を食べたり、気化熱で地球を冷やしたり、光合成で作り出した酸素を吸う私たちにとっては、植物こそ生命をささえるかけがえのない存在です。
水と植物の関係を知ることで、どちらも私たちにとって大切で守っていかなければならないことがよく分かりました。植物を育てる仕事をしていますが、より一層大事にしなければという気持ちでいっぱいです。