冬になるとあちこちで見かけるようになる、シクラメンの花。花色が美しく豪華な雰囲気があり、日本人に愛されています。「シクラメンのかほり」という名前で一躍有名になった花ですが、実際はあまり香りはしません。原種には香りがあるようですが、園芸品種は品種改良するうちに香りが薄れてしまったそうです。
美しいシクラメンの花をよーく見てみると、雄しべや雌しべが見当たらないことに気付きませんか?
花を下から覗き込むと、下向きに咲いていることがわかります。
この不思議な咲き方、もともとの原産地である地中海沿岸では、シクラメンが咲く冬は雨が多く降るそうです。そのため花粉が雨に流されないように花が下向きに咲くようになったのではないかと言われています。
そういえばクリスマスローズの花も下向きに咲きますね。クリスマスローズも花粉を雨や雪から守るためと言われています。また受粉を助けるミツバチやマルハナバチが下向きで咲く花を好むこともあり、そのため下向きに進化したとも言われています。
花の向きには降雨と関係があるのは驚きです。
ちなみに雨や曇の時に花を閉じる性質がある植物も、雨から花粉を守っているからだとか。
さて、近年上向きに咲くシクラメンが開発されました。既に先行販売が始まっていて、2024年には開発されたオランダで販売が開始されます。
日本の量販店に並ぶのはもう少し先になりそうです。
花持ちもよく、花1つ1つが大きく、かなり豪華に咲くそう。楽しみですね。