サクラを見ると、たまにコブのような、他より太かったり出来ものができている様子が見られる幹や枝があるときがありませんか。
先日、お客様から言われて現場に駆けつけてみると、そんなコブが沢山あるサクラがあって対応したので、今回はサクラの幹に出来るコブの話です。
サクラのコブを作る病気は、サクラこぶ病とサクラがんしゅ病という2つの病気があります。そもそもサクラといってもヤマザクラに多く発生し、寒冷地の病気として知られていました。
しかし近年ではソメイヨシノで見られたり、温暖な地域のヤマザクラでもコブが見られるようになっています。
そもそもサクラコブ病やサクラがんしゅ病とは一体何なのか。
サクラこぶ病はバクテリアの一種が広葉樹にコブを作るものです。様々な病原型があるのですが、特にヤマザクラ系に多く見られます。
サクラがんしゅ病とは、糸状菌のカビの一種が原因です。サクラの他にも様々な樹木にコブを作るのですが、春から秋にかけて雨の飛沫とともに飛び散ったり、昆虫に付着して伝播したり、風などの風媒でも伝染されると言われています。この胞子が葉柄痕や傷口から侵入して発病します。
どちらの病気も未だに防除法は確立されておらず、対応は限定的で困ってしまいます。
しかしそのままにしておくと、その他の枝や、隣の樹木へ伝染るなど、感染源となってしまうことがあります。
またコブから枝の先まで枯れたり、木そのものが枯れてしまうことも!
そのためコブを見つけた場合は、コブから先を除去して廃棄する必要があります。廃棄する時は他のサクラや樹木に伝染させないように、ゴミは適切に処理しないといけません。
また枝を切った時は必ず防菌材や治癒促進剤などでの処理を行うことが重要で、時としては樹勢を回復させるため、肥料等が必要です。
樹木の病虫害は、その樹木が健康で元気だとあまり食べられたり発病しないもの。サクラ自体の樹勢を保つことが最善の策になります。
もしサクラにコブを見つけたら放置せずに対処を。わからない場合はお近くの造園屋さんにご相談下さい。