ちょっと涼しくなると目につき始める、うどんこ病。様々な植物で発生するのでやっかいな病気です。
うどんこ病はうどんこカビと呼ばれる菌類が植物に寄生し、胞子を形成するとうどん粉をまぶしたようにみえる状態を指します。ほぼ全ての植物に発生すると言われていますが、被子植物に限られ、裸子植物やシダ類には発生しません。
また双子葉植物が病気にかかりますが、単子葉にはありません。つまりイネ科やヤシなどにはほとんどみられないとのこと。
また、うどんこカビには様々な種類があり、しかも生きている植物にしか寄生しません。つまり、バラ科に発生したうどんこ病は近くに植えられている草花には伝染りません。もし一緒に植えたコスモスにうどんこ病が見られた場合は、それぞれ違ううどんこ病がいるわけです。
見た目が悪く、時として植物を枯らすうどんこ病ですが、人間には無害です。ただしうどんこ病り罹患した野菜や果物の収穫した作物は美味しくないそう。
うどんこ病の対処は罹った葉や茎の除去と株元の清掃、薬剤散布が推奨されます。
酷くない場合は幹部の除去が一番効果的ですが、蔓延すると薬剤散布に頼ります。その時に使う薬剤は効果のあるものを探して使うことが肝心です。先程書いたように、うどんこ病には様々な菌がそれぞれの植物につくため、効くものと効かないものがあることも。
予防処置は非常に難しい、というのが現実です。胞子は空中を漂っていますし、うどんこカビは水分を多く含んでいるため乾燥に強く、また湿気は大好きで増殖します。
生育温度は幅広く、冬にいないように見えても生きています。枯れた植物には寄生しませんが、土壌や落ち葉の中に胞子があり、毎年のようにかかります。
特にカリウム不足や免疫系が弱っている植物はかかりやすくなります。窒素の多い土で育てた植物が出やすいと言われるのは、こうした理由です。
バランスの良い土で健康的に育てると、植物には酵母菌が繁殖します。この酵母菌はカビ菌と生育が重なっていて、酵母菌が優位である場合、カビ菌を抑えられるそう。なので良い土、良い状況で育てることが植物にとってとても大事なのです。