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炭と造園

炭と聞くとバーベキューに使うアレ?となるかと思いますが、植物を育てる上でも作庭時にも結構出てくるモチーフなのは一般的にはあまり知られてないかもしれません。
炭は水や空気を浄化するという性質を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。炭は目に見えないほどの小さい穴=多孔質な性質で、この穴に沢山の物質を吸着させます。そのため水や空気を浄化するわけですが、土壌に撒いても良いことがあります。
同じく多孔が微生物の住処となって繁殖が活発になり、肥沃な土壌を作り上げることが分かっています。また透水性も保水性もあるので、土壌改良にも最適です。
リンやカリなどのミネラルも豊富に含まれていて、肥料などの効果を高めます。

日本では様々な炭が使われてきました。
一般的な木炭には、バーベキュー炭、備長炭、オガ備長炭、広葉樹炭があります。
それぞれの木材や産地が違い、1kgあたりの値段もそれぞれ違います。
その中でも日本庭園によく登場するのが「菊炭(きくすみ)」と呼ばれる広葉樹炭です。
クヌギやコナラなどを使用し、断面がまるで菊のような花模様となるのが特徴です。
炭としてもとても優秀で、火付きもよく、火力も強く、香りが良いこと、燃えた後も形が崩れず真っ白に花が咲いて美しいため、室町時代、茶の湯が花開いた頃からよく使われてきました。
千利休も好んで使っていた、と聞きます。

日本庭園では、屋根から雨雫が垂れる場所に炭を埋めて土が穿たれるのを防ぐ時に、美しいこの菊炭を並べて埋めるように使いました。
炭は苔の良い住処にもなり、苔の庭との相性も抜群です。

大変重宝される炭ですが、ひとつ注意が。
炭は土壌に分解されず、半永久的に残ります。そのため使わなくなった炭は土に埋めず、ゴミとして処理をして下さい。土壌改良に使う場合は、炭がアルカリ性が高いため、pHの確認をして適切に使用下さい。

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