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マルチングの種類や効果

マルチングとは、土壌表層保護のことです。植物の根元に施し、土壌や植物体の保護の目的や、雑草避けなど、様々な機能を期待して使われます。マルチング素材は様々あり、ビニールマルチや稲わら、植物繊維を使ったものなど、多種多様です。
野菜づくりなどでビニールマルチや稲わらのマルチ材(土壌表層保護)を使われる方も多いのではないでしょうか。造園では農業で使われるこうしたものは意匠性を重んじるため使いません。主にマルチバーク(もしくはバークマルチ)と呼ばれるヤシ繊維や樹皮を使ったもの、バークチップと呼ばれる赤松や黒松の樹皮を砕いたもの、樹木の幹を粉砕して作るウッドチップ、堆肥などを利用したバーク堆肥があります。

お花屋さんなどでバークチップは観葉植物の根元に施されているのを見たことがあるでしょうか。
多くが高値のため、造園ではバークチップの使用はまれです。

造園ではマルチバークとバーク堆肥を用途に合わせて使い分けています。

バーク堆肥は「堆肥」と名前がついていることから、元々は土壌改良材であることが分かると思います。
土ですので分解が早く、マルチング材というより覆土を念頭にする必要がありますが、植物の植え付け後などのマルチングには良いと思います。
メリットとしては、以下が考えられます。
・見た目が良く植物を映えさせる
・土壌改良や施肥効果がある(商品による)
・冬季など保温効果があり、春からの根の動きが良くなる
・分解されるまでは軽度ではあるが、保湿効果がある

ただし、以下のデメリットは考慮する必要があります。
・分解が早く、マルチング機能が失いやすい
・厚すぎると土壌中の窒素不足になり植物の生育に支障がでる
・施肥効果があるため雑草が増える

WEBで良く防草効果があると書かれている場合が殆どですが、経験上、防草効果は全くないように感じています。
むしろバーク堆肥を施した途端に雑草が生えだした、ということが多くありますので、防草効果を期待してバーク堆肥を施工することはオススメ出来ません。

対して、マルチバークは樹皮繊維等から出来た植物性のもので、ふわっとした質感、土ではありません。
メリットとしては、
・見た目が良く植物を映えさせる(バーク堆肥より自然な感じ)
・雑草の抑制効果が高い、特に3~5センチを推奨
・雨水による土の跳ね返りが無いため病気の予防になる
・保湿効果があり、夏の潅水頻度がやや減る
・保温効果がある

特に防草効果が高い気がします。たとえ草が生えてもスッと抜けるため除草の作業効率が良いのも嬉しいです。もちろん、デメリットはあります。
・風に飛びやすい(ノリが入った商品があります)
・厚く施すと水やりがやや面倒になる
・たま~に鳥の巣作りに利用され盗まれる

屋上緑化ではノリ入りなどの商品を使うと良いでしょう。ただしノリが入っているとやや草が生えることも…
防草効果を期待して5センチ以上にすると、水が浸透しにくくなります。水やりの際は、シャワーヘッドをホースから外し、ホースの先をマルチバークをかき分けて差し込むとしっかりと水やりが出来ます。
分解速度が1~3年ほどなのも適度で良く、数年で追加していく必要はありますが、常に綺麗な状態で保つことが出来ます。
宿根草や多年草、低木の植替えなどであれば、分解が始まったマルチバークを撤去せず、土に混ぜ込んでも問題ないように思います。

用途にあわせ、デメリットも考えながらうまくマルチング材を使うと良いと思います。
最後に、マルチバークを使ったマルチングの使用前と使用後の、とある花壇の写真を載せておきます。
ビックリするくらい防草効果があることが良く分かりますね!?(周辺の芝生の芝刈り前後は考慮しないで下さいね!)

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