
樹木を植栽する際に、根の活着を高めたり、十分に根が張るまで倒木を防いだりするために支柱を行います。日本では台風などの強風が良く吹くため昔から様々な方法がとられてきました。
幹に柱を沿わされていたり、鳥居型に組んだ丸太の支柱や、パイプのような金属製のもの、ワイヤーで釣られたものなど、公園や街路樹で見たことがあるかと思います。
こうした地上部の支柱だけではなく、近年では地下支柱の製品が使われるようになってきました。
地下支柱はこれまで様々な方法がありますが、屋上緑化の需要や、人や車などの障害にならないよう、近年特に開発され、様々なメーカーが商品を出しています。
地下支柱には大まかに3通りあります。
1つ目は植栽地の下にしっかりとした地盤があり、支柱を打ち込めるケースです。土中に打ち込んだ柱と根鉢をしっかりと拘束し、植物の自重でもって支える方法で、低木から高い樹木まで支えることが出来ます。
狭い場所やいびつな形の根鉢でも使用可能です。
2つ目は駆体にコンクリートアンカーを打ちこんで支える方法で、人工地盤で使用されます。土質には左右されませんが、強度には限界があるため、樹高が高くなればアンカーの本数が多く必要になります。
駆体アンカーから下は建築工事になるため、建築設計や工事と綿密に打合せが必要です。
3つ目はベースと呼ばれる板のようなものを広げて、土壌の重量で支える地下支柱です。また、根鉢の下にワイヤーメッシュを敷いて根鉢を繋ぐ方法もあります。この方法は外部空間での植栽の他にも、屋上緑化で使用されるケースも有りますが、屋上に使用する軽量土壌によっては十分な重量が出ないため設計の段階で注意が必要です。
場合によってはワイヤーメッシュを駆体にとめる必要があります。
いずれの地下支柱も、強風時に根鉢と支柱を繋ぐベルトやバンドなどの中で、根鉢が回転する場合があるため、回転しないように固定する工夫が必要です。
また、土質や風が強い場所によっては、地上部の振動から根が安定しないこともあり、地上部の鳥居組支柱やワイヤー等と併用すると植物の生育が良く、安全性も担保されます。
価格は地上部の支柱と比べると地下支柱は価格が高くなります。
ただ、植えたてなのに一見して支柱をしているのが分からなくて見た目が良いことや、人や車などの通行障害にならないこと、屋上などで深く支柱を埋め込み出来ない場合などは良い方法です。
写真は先日、東遊園地に木陰プロジェクトで植えた大径木のケヤキです。地下支柱なのでスッキリとしていますね。