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タカサゴユリやシンテッポウユリについて

近年、道路の法面や中央分離帯など日が当たる乾燥地でユリを見かけることが多くなってきました。日本で見られるユリは、ほとんどが森や林の、木々の下の半日陰や湿った場所に育つ種類なので、あれ?と思われた方も多いのではないでしょうか。
そう、日当たり良い乾燥地で見られるユリは在来種ではなく、外来種なのです。

良く見られるのは「タカサゴユリ」と呼ばれる台湾原産のユリだったり、タカサゴユリと九州南部や南西諸島原産のテッポウユリと交雑した「シンテッポウユリ」です。

タカサゴユリは台湾から大正時代に移入した帰化植物で、花期は8~9月頃です。花には特徴的な赤紫色の筋が入り、横向きにみると赤く見えます。
種子を多く付け、風で運ばれて分布を広げます。
水はけが良く明るい草原や荒れ地を好んで根付き、数年球根を太らせると大きな花を付けます。
ユリは連作障害を起こすことが知られていますが、タカサゴユリも同じで、根付いて広がっても数年経つと姿を消します。種子で移動していきます。

シンテッポウユリはタカサゴユリとテッポウユリが交雑して出来たもので、タカサゴユリよりやや小さい花になります。タカサゴユリの赤い筋状の模様はハッキリと受け継ぐものや、まったく白くなるものなど、変種の幅が広い様子です。
花期はテッポウユリの5~6月ではなく、タカサゴユリの8~9月の特徴を受け継ぎます。また種子繁殖する性質もタカサゴユリと同様です。

タカサゴユリやシンテッポウユリは環境省の「生態系被害防止外来種リスト」において、「その他の総合対策外来種」とされています。
強健で繁殖力が高く、乾燥した場所でも、冷涼なところでも生育可能であり、群生することによって自然景観を変えてしまう恐れがあります。
またキュウリモザイクウィルスやチューリップモザイクウィルス、ユリの感染症などの宿主であることが報告されているため、取り扱いに注意が必要なものであることが分かっています。
そのため、見かけた場合は根から取り除くようにしています。

美しいからとついつい放置しているのを見ますが、周辺の環境や未来のためには撤去がのぞましいのではないでしょうか。
植物の育成や管理は、見た目だけではなく、生息地や植物の歴史など、多角的な視野から、造園家としてふさわしい対応が必要です。

写真は弊社の玄関に今年生えてきたシンテッポウユリです。観察したのち、撤去しました。

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