樹木医

樹木医とは樹木のお医者さんのことですが、主な仕事は樹木の診断、治療などの処置、育成です。

植物の生理・生態だけではなく、植物を取り巻く様々な事柄に精通し、土木など、樹木とは直接関係なく感じる分野についても知識や経験が必要な、大変難しい仕事です。

植物は人と違って話すことは出来ないため、様々な角度で観察し診断を行います。また目に見えないものが原因の場合もあります。

 

ある日の樹木医のお仕事の風景の一端をご紹介致します。

 

こちらは公園にある、梅林です。

出来てから年月が経ち、梅の花の付きがやや悪くなっているとのことでした。目視での診断では、確かに葉や枝に元気が無く、花数も少なく、花もやや小振りでした。葉や幹に病害虫の痕跡があるのも気になります。

まずは根元から。樹木は土壌が一番大事です。

写真は土壌調査の様子。土壌の構成や腐植の有無、水はけ、硬度などを調べます。この時の硬度は問題なく、土壌はやや真砂土が多いものの透水などに問題はありませんでした。ただ腐植層がほぼ見つからなかったため、腐葉土などの添加が必要という結果でした。

梅の周囲を掘り進め、腐葉土を混ぜた土を添加します。あわせて施肥も行いました。土壌改良時に梅の根を傷めないように、エアスコップを使用しています。樹勢の回復を目指しているので、根を傷つけて弱らせては元も子もありません。

春先に大発生するカイガラムシの除去も欠かせません。殺虫剤散布など、日常的な管理作業も甘く見てはいけません。

カイガラムシやアブラムシなどの発生によって、すす病などの病原菌を間接的に媒介することもあって注意が必要なのです。

初夏から秋にかけてのアオムシや毛虫なども定期的に殺虫・予防します。少しの発生は木に影響はありませんが、稀に大発生することもあり、葉が全て食べられて枯れることもあります。

耐性がつかないよう、また環境に配慮し、効果的、かつ回数はできるだけ少なくすることも大事なことです。

梅の樹勢が回復してきたら、病気や虫にも強くなっていくので、徐々に減らすことが出来ます。

処置を例年重ねていき、徐々に樹勢が回復してきます。花数や花の大きさが良くなり、元気で健康な様子になっていきます。

 

基本に忠実に管理を行うこと、また目に見えない原因を探ること、様々な事象を見逃さないこと・・・。

日々の変化に敏感に反応し、樹木を大切に守っていくことが樹木医としての仕事なのです。